自分を知る、自分がおかれている立場をわきまえる
2011年 1月 21日(金曜日) 11:06

私の現役時代のある試合での事。
回は8回。
試合は同点である。
自軍、エンジェルスは同点に追いつき勢いがある。
マウンド上で、今調子が良い。
自分は緊張しているのかどうか? 程よい緊張感だ。

審判はどちらかというとヤンキース寄りだ。(ヤンキーススタジアムの試合で地元ファンが見守る中では仕方がない)

相手バッターの弱点はどこだ。
どうやってピッチングを組み立てよう。

私はマウンドに上がる時、常にこの様なことを考えていた。
一番は、どの場面で出て行っているのか? 
自分のチームが勝っているのか? 
負けているのか? 点差はどれくらいなのか? 
点差がかなり開いて負けているのであれば、テンポ良く投げて味方の攻撃に弾みがつくようにしなければならない。
大量リードしているのであれば、四球はいけない。とにかく、打たれてもどんどんストライクを取って勝負をする。

この様に、試合状況によって、ブルペンピッチャーでも投げ方が変わってくる。

例えば上の場面。味方が追いついて勢いがある同点の場面での登板であれば、流れを止めないように考えなければならない。思い切って勝負にいって打たれても、味方が逆転してくれる可能性はある。

それが、以下の状況では全く投球は変わってくる。
前半から5-0で勝っていて、5-4に追い上げられている。どう考えても相手の方が勢いがある。それならば、どんなピッチングでも(四球を出してでも)なんとかゼロの抑える。

メンタルトレーニングでも、今、自分を知るということは大事である。いま自分が緊張しているのかどうかも分からなくては、どうする事も出来ない。緊張しすぎなら、緊張をほぐす方法があるし、緊張感が足りないなら、緊張感を自身で出す方法もある。しかし、自分の今の状態が分からなかったなら、どの方法を使っていいのか分からない。まずは、今の自分の状態を知るところから始まるのだ。

後1つ、大事な事は、自分のコントロールできる事と、出来ない事をはっきりと知る事。それも自分のおかれている立場を知る事に付随する。

上記の審判のことは、その事である。審判のコールというものは、自分ではコントロールできないものと知るべきである。もちろん、審判と普段から話をしたり、冗談を言ったりして、良い印象を与えておけば、審判も人間であるから、良いコールを私にしてくれるかもしれない。あるいは、誤審に対して、うまい抗議の仕方をすれば、次回は埋め合わせをしてくれるかもしれない。ただ、1球1球の審判のコールに対して感情をむき出しにしていては、バッターとの勝負に集中できない。

あるいは、バッターとの対戦でも、相手バッターの弱いところには投げるが、それを打たれる、打たれないは、自身のコントロール外の事である。できるだけコントロール良く、力のある球、キレのある変化球を投げ込む事に集中する。結果は後から出る事である。相手バッターが良いバッターでも、自分のピッチングをする。良いバッターと平均的なバッターの差は、打率にしてみれば、ほんのわずかなものである。

以上のような事が自分を知る、自分の立場をわきまえるという事です。これは、野球においてだけではなく、普段の生活でも活用できる事です。
(MLB2009、、メンタルトレーニング)
長谷川滋利