面白がることと楽しむこと
2015年 6月 08日(月曜日) 14:24

「面白がる」ことと、「楽しむ」こと、この2つとも、あるいは一方が、選手として、社会人として大成するために絶対必要なものです。もしも、フィールドに行くのが楽しくなかったら、選手がその試合に勝つチャンスは限りなく低いものになります。もしも、会社に行くのが楽しくなかったら、会社で昇進していく確率は限りなく低いものになります。

私が日本で野球をやっていた時は、いつも苦しんで、あるいは使命感を感じていました。中学時代は全国優勝しましたが、幼かったこともあって、まあ、そこまで考えることなくプレーしていました。高校に入ってからは、中学全国優勝投手ということで、周りからの期待もあり、使命感を感じてプレーしていました。あるいは、肩の怪我に悩まされ、とにかく苦しんでプレーしていました。というか、高校生活が苦しかったです。 毎日、野球部の朝練習に行くのが辛くて仕方なかった。夜の10時に家に着く頃には、クタクタで布団に入って寝るだけ。「楽しむ」なんていう言葉は、思い浮かばなかった。そんな状態で、良いパフォーマンスは望めません。

大学に入ってからは、高校時代よりかなり楽しんでプレー出来だしました。練習にも遊び心を取り入れて、嵐山観光を取り入れたランニング、鴨川沿いの風流なランニングなど、苦しいランニングでも楽しめていたように思います。立命館大学は関西学生野球リーグで、東京六大学リーグ、東都リーグほど厳しくなかったから、このように楽しんで練習できました。練習、試合ともに楽しめた大学時代は、1年生から4年間、先発投手として活躍できたこともうなずけます。

プロに入ってからは、再び、楽しむというよりは、プロとしての使命感、責任感を持って投げ続けました。試合では相手バッターとの対戦を楽しめた時はありましたが、どちらかと言うと、先発の仕事を守るために必死に頑張っていただけのように思えます。今の私だったら、そんな自分のコントロールできないことに集中するよりも、練習でも試合でも楽しめる方法を見つけ出すことでしょう。ランニングでも、ウエートトレーニングでも、どうやったら楽しんでできるか? 試合中でも、バッターとの対戦を楽しむのはもちろん、他の選手との会話、コーチ人との会話、ファンとの対話など、楽しめるものを探すことに集中するでしょう。

メジャーに移籍しての1年目、2年目は、ほとんど日本プロ野球時代と同じように、先発の仕事を得るために必死でした。この時も自分のコントロールできないことに集中していました。2年目の夏あたりから、先発の仕事を得ることよりも、目の前の仕事(ブルペンの仕事)に集中すること、世界最高峰のメジャーリーガーのバッターとの対戦を楽しむことに集中し始めました。そうなってからは、フィールド(球場)に行くことが楽しくなっていきました。フィールドに行く時間も、1年目と2年目はいつも2時間ぐらい前の同じ時間に規則正しく行ってしましたが、3年目以降は、ある時は4時間前からフィールド入りし、ゆっくりしてからトレーニングをしたり、相手バッターの研究をしたりしていました。あるいは、全体練習が始まる直前に行く時もありました。そうすることにより、単調な生活を工夫して刺激のあるものにしようと努力し始めました。日本で言うところの「毎日の仕事に努力を惜しまない」というのではなく、アメリカ流、私流に、「毎日の仕事が楽しくなるようにする努力を惜しまない」ということに、変わっていきました。

正直、私の持っていた力からすると、メジャーリーグで活躍できた方だと自負していますが、それはこのような「面白がる」「楽しむ」といった事に集中するようになったからだと考えます。これが日本の時のように、使命感や責任感だけでプレーを続けていたならば、メジャーで9年間も活躍する事は出来なかったでしょう。

今、私はゴルフに情熱を注いでいますが、このゴルフは私にとって本当に楽しいものです。試合の日も、練習ラウンドの日も本当にワクワクしながらゴルフコースへ向かいます。このような気持ちでいるから、使命感や苦しみを感じてプレーする若手のアメリカ人プレーヤーたちよりも、良いプレーができます。実力では到底叶わなくても、この楽しむ気持ちで互角に戦う事ができています。

心からその競技を、あるいはその仕事を楽しめるようになれば、その人のパフォーマンスは最高のものとなっていきます。日々の単調な仕事、トレーニングも工夫して楽しいものにしていけば、その世界での成功者となる事は間違いありません。それに何より、楽しい事はしんどく感じません。毎日がワクワクします。こうなれば人生の成功者になることはもう確定です。(自己啓発)

長谷川滋利